九星気学を知っている人、学んだ人なら、「この星を持っている人は、こういう性質がある」「この星には、こんな運がある」のような星の特徴を聞いたことがあると思います。私も、講座や鑑定ではそのように伝えることもあります。
例えば、七赤金星は、悦びや豊かさ、お金、コミュニケーションを象徴する星。二黒土星は、母、大地、受容、育成、そして物事の土台を象徴する星です。それぞれの星には、素晴らしい性質や可能性があると考えられています。
先日、七赤金星を本命に持つ方が、こんなことを話してくれました。
「七赤金星を吉方で取れる人っていいなぁ、と思っていたけれど、よく考えたら自分が七赤金星だった! もう私には元々備わってるからラッキーですよね」って。
それを聞いた私は、「そう。そこがスタートですね。まずは、自分が生まれ持った星の素晴らしさに気づくことから。」そうお伝えしました。実際、それはとても嬉しい発見だと思います。
ただ、私はそのとき、もう一つ大切なことを考えました。
それは、生まれ持った星の性質が、そのまま人生に表れるものだということではない。ということ。
これは、考えてみれば当たり前のことですが、七赤金星だから、自然とお金に恵まれる。七赤金星だから、いつも悦びがある楽しい人生になる。そう単純に決まっているわけではありません。
自分にはどんな可能性があるのかを知り、それをどう育て、どんな形で人生に表現していくのか。そこに、九星気学を学ぶ面白さがあると思っています。
では、私自身はどうなんだろう?
そんなことを考えていたら、ふと自分自身のことに思いが至りました。
私は、本命星も月命星も二黒土星です。二黒土星には「母」という象意があります。母性、慈愛、受容。人を育て、支え、物事の土台をつくる星。
ところが、私自身は長い間、母との関係に悩んできました。吉方取りをする時の考え方のひとつとして、「二黒土星を吉方で取ると、母親との関係が良くなる」と読み解くことがあります。
それなら、本命も月命も二黒土星である私は、なぜ母とぶつかり、親娘関係で悩んできたのだろう?
二黒土星の性質を十分に生かせていないのだろうか。もしかすると、自分自身の生き方に問題があったのだろうか。そんなふうにも考えられるわけです。
でも、ここで一つの疑問が生まれました。
そもそも、二黒土星だから母とうまく付き合わなければならないのでしょうか?
星の象意は、人生の診断要素ではない
考えてみれば、二黒土星が象徴する「母」は、現実の母親との関係だけを意味するものではありません。
大地のように物事を育むこと。人を支えること。自分自身の暮らしや人生の土台を築くこと。
受容という言葉一つをとっても、相手のすべてを受け入れることだけが、その表現方法ではないはずです。
自分の中にある「これは嫌だ」「私には受け入れられない」という感情を認めることも、一つの受容だと思うのです。そして、自分と相手の違いを認め、適切な距離を選ぶこともできる。
そう考えたとき、二黒土星という星の捉え方が、私の中で少し変わりました。
母との関係が良好であることが、二黒土星としてのベースではない。七赤金星の人が経済的に豊かであることも、七赤金星としてのベースでもない。
星の象意は、判定するためのものではない。そう思ったのです。
星を知ることは、選択肢を増やすこと
私は九星気学も西洋占星術も大好きです。自分がどんな性質や可能性を持って生まれてきたのか。どんな時期に、どんなことを意識して過ごすといいのか。それを知ることは、自分自身を理解する大きな手がかりになります。
でも、だからこそ大切にしたいことがあります。
七赤金星だから、お金に恵まれていない自分はなぜなのだろう。二黒土星だから、母親とうまく付き合えているはずだ。三碧木星だから、いつも明るく元気な自分でいなくては。
もし、そんなふうに考えてしまったら、本来は自分の可能性を知るために学んだ気学が、いつの間にか自分を縛るものになってしまいます。それでは、気学は「当たる」「当たってない」を判断するだけになってしまうでしょう。
例えば七赤金星なら、悦びや豊かさをどうやって自分の人生に増やしていこうか、と考える。
三碧木星なら、自分の中にある行動力や成長する力を、これからどんなことに使ってみようか、と考える。
そして二黒土星の私なら、人を支えることだけではなく、自分自身が安心して暮らせる土台を、どう築いていこうかと考える。
同じ星の象意でも、それをどんな形で人生に表現するかは、人によって違っていい。そして、その答えは人生の途中で変わってもいいのだと思います。
生まれ持った星を、自分らしく生かす
今回、改めて気づいたことがあります。私たちは、自分の星の性質を完璧に体現するために生きているわけではない、ということ。
誰にでも得意なことがあれば、苦手なこともあります。生まれ持った性質をうまく発揮できるときもあれば、そうでないときもある。それは、運が悪いとか、生き方が間違っているということではありません。
むしろ、自分の中にどんな可能性があるのかを気づくことは、人生の経験を重ねるなかで変わり、星の象意から、新しい気づきを得ること。
若い頃には「真面目でコツコツ・地道にやる星」だと思っていた二黒土星の意味が、今の私には「自分自身の気持ちも大切に受容すること」として感じられる。これは、私にとって大きな発見でした。
自分の星が変わったわけではありません。星を見つめる私自身の視点が変わったのです。
星を知って、人生をもっと自由に選ぶ。
九星気学や西洋占星術は、未来を考えるうえで、たくさんのヒントを与えてくれます。
けれど、そのヒントをどう受け取り、何を選び、どう行動するか。それを決めるのは、いつだって自分自身です。
私はこれからも、九星気学や西洋占星術を人生の指針として大切にしていきたいと思っています。ただ、その指針によって、自分や誰かを「こうあるべき」と決めつけることはしたくない。性格なんて、環境によって形成され、自分を変えようと思うことで変わり続けるものですよね。
ただ、自分の星を知ることで、自分をもっと理解できる。自分を理解することで、これまで思いつかなかった生き方を選べるようになる。そんなふうに、星の知恵を使っていきたいと思っています。
星は、私たちの生き方を決めるものではなく、自分らしい生き方を見つけるための道しるべ。そして、その道をどのように歩いていくかは、私たち自身に委ねられています。
生まれ持った星の素晴らしさを知り、その可能性を、自分の望む人生の中で育てていく。それが、私の考える星との付き合い方です。
星を知って、人生をもっと自由に。
これからも、そんなふうに人生を愉しんでいきたいと思っています。